連載 総合診療POEMs ─診療で使える!旬なオススメ文献─ 第17回
LDL-C低下は総死亡,心筋梗塞,脳卒中に対して,実は思ったより効果がない!?
岡田 悟
1
,
中村 浩史郎
1
,
小山 元気
2
,
岡田 悟
1
1東京北医療センター 総合診療科
2揖斐郡北西部地域医療センター 山びこの郷
pp.602-605
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024050026
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スタチンの効果として,一体どのくらい心血管イベントを減らすのだろうか?
スタチンによるLDL コレステロール(LDL-C)低下と,総死亡,心筋梗塞,脳卒中 などの個別のアウトカムに対する絶対リスク減少との関連性はこれまで不明だった. 筆者も高LDL-C血症に対してスタチンを頻繁に処方しているが,相対リスク減少の程 度はわかっても実際に絶対リスクとしてどのくらい減少するのか疑問をもっていた. もし日々の臨床で使用しているスタチンの絶対的効果がわれわれが思っているよりも 乏しいとしたら…….LDL-Cの低下が心血管イベントの発症予防に対して,強く関与 していないとしたら…….今回の論文1)は,このような日常の診療において診療ガイ ドラインで提示されている治療方法を見つめ直すきっかけとなると感じた.
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