巻頭言
リハビリテーション治療と仕事
安保 雅博
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1東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
pp.350
発行日 2021年4月18日
Published Date 2021/4/18
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- 文献概要
厚生労働省は見た瞬間から脳裏に焼きつく衝撃的な図表をときどき示す.2015年度の『長期的な我が国の人口推移(出生数・死亡数,合計特殊出生率の推移:1900〜2110年』がそうである.少子高齢化は言うまでもないが,今の死亡数と出生数の差を1とすると2040年には約2倍になり,悪くなりながら同じような状況が2070年くらいまで続くというものだ.要するにピンコロで行かないと大変なことになり,皆が長く税金を払ってあげないと日本がダメになると痛感してしまう.
2020年10月に閣議決定された循環器病対策基本計画では高齢者人口がピークを迎える2040年までに3年以上の健康寿命の延伸および循環器病の年齢調整死亡率の減少が全体目標として掲げられた.特に,てんかん,失語症などの循環器病の後遺症を有する者に対する就労支援や経済的支援を含めた支援体制の整備や,幅広い病状を呈する循環器病患者の就労支援などへの取り組みが明記された.
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