プロフェッショナルとしてのリハビリテーション医療—PROreha（Physiatrist and Registered therapist Operating Rehabilitation：プロリハ）宣言

　産業医科大学リハビリテーション医学講座初代教授緒方甫先生から，「目の前の患者をよくすることがわれわれの仕事である」と指導を受けた．よくする対象は「機能」や「障害」であると考え，取り組んできた．今は，リハビリテーション医療は，「患者さんをよくする」のが本質で，われわれリハビリテーション科医は障害者を包括的に治療する「かかりつけ医」としての役割の重要性を実感している．

　多くの診療科が治療の専門とするものは臓器や器官であるのに対し，リハビリテーション医学の対象とするものは障害，機能，活動である．したがって，疾病や障害をもつ人すべてがリハビリテーションの対象となる．リハビリテーション科医やリハビリテーション専門職種（理学療法士，作業療法士，言語聴覚士など）は幅広い知識と技術が必要となる．さらに，障害そのものから起こる特殊な病態もあり，疾病そのものだけを診るのではなく，「全身を診る（Whole Body）」の観点から対応する必要がある．