リポート「現場,最前線」
エレクトロパラトグラフィー(EPG)の過去・現在・未来―EPGの簡易装置を用いた家庭における視覚的フィードバック訓練を試行して
藤原 百合
1
,
井上 幸
2
,
村口 公子
3
,
高木 なみ
4
,
石丸 満
4
,
山本 一郎
4
1広島大学病院
2彦根こども家庭相談センター
3高槻病院
4山本歯科医院
pp.79-81
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100077
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1.EPG開発の歴史と研究の動向
エレクトロパラトグラフィー(electropalatography;EPG)は言語訓練などに使用される機器で,微細な電極を埋め込んだ人工口蓋床を口蓋に装用して,発話時の舌と口蓋との接触を継続的に表示・計測し,分析する装置である.
電気を使用しない静的なパラトグラフの歴史は古く,200年以上にもわたるが,動的な評価・分析のできるEPGは,1930年にドイツのSchillingによって初めて開発され報告された.1964年に米国Washington大学のKydd and Beltによって現在使用されているものの基礎となるEPGが直流電源で開発され,1968年には東京大学の柴田によって初めて交流電源でのEPGが開発された.その後1960年代後半~1970年代にかけて,英国Reading大学のHardcastle,米国Alabama大学のFletcherおよび東京大学の柴田らの3施設が,個々にKydd and Belt型のEPGをもとにパレートの電極の個数を増やすことと,計測精度の向上を目的に交流電源での開発を行った(Hardcastle et al 1997).
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