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2016年から編集委員の一員を仰せつかりましたがん研有明病院呼吸器センター外科の文敏景です.編集委員に任命いただき誠に光栄であるとともに身が引き締まる思いです.
まず私と内視鏡外科の関わりについて述べたいと思います.私は平成9年に虎の門病院外科レジデントとして採用されましたが,その当時の研修医が経験する内視鏡外科手術といえば腹腔鏡下胆囊摘出術でした.その頃,虎の門病院では下部消化器外科(大腸外科)で腹腔鏡下大腸切除術が導入され始めたばかりであり,我々の世代がちょうど開腹手術と腹腔鏡手術の移行期を経験した世代となります.研修医3年目の時に,2016年大上賞を受賞された河野匡先生が呼吸器センター外科部長として赴任されました.その時に胸腔鏡下の縫合,結紮,剝離の技術,自動縫合器の使用法などを見せていただき,拡大視下で行う緻密な操作に非常に感銘をうけたことを覚えています.当時の肺癌に対する胸腔鏡下手術は,肺葉切除術を安全に行うことが最優先でした.しかし,肺葉切除術の手技が標準化してくると,次のステップとして縦隔郭清の手技の確立に取り組み,河野先生とともに試行錯誤しながら郭清手順を確立していったことが私の今の財産になっています.平成20年にがん研有明病院呼吸器センター外科に赴任いたしましたが,術者の立場から若手外科医を指導する立場に変わり,如何に効率よく指導していくかを日々試行錯誤しています.私の研修医時代から現在にいたるまで,内視鏡手術全般のデバイスや技術は著しく進歩しました.会員の皆様からの論文を査読させていただくことで私自身も最新の知見や手技の工夫,他施設の教育方法などたくさんの情報を得て勉強させていただいております.
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