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編集後記
清水 一雄
pp.252-253
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426100330
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今,サウジアラビアにいる.山川達郎先生とともに “4thannual general surgery symposium” に招かれ参加した.私は甲状腺に関する3つの講演とライブ手術の司会が仕事である.他に本学の消化器外科から膵内視鏡手術の講演で中村慶春,大腸肛門外科の内視鏡手術の講演で松本智司,乳腺科より乳腺内視鏡手術の講演で山下浩二が招かれ参加した.それぞれが高度で洗練された技術の発表を行い高い評価を得た.
私にとって,サウジは二度目の訪問だが,ここは別世界だ.アルコールのない世界である.また女性とは話してはいけない.ましてや写真など撮ろうものならカメラごと取り上げられそうである.というより周囲に女性がいない.男女ははっきりと行動が分かれている.学会場も男女の入り口は別で,会場の席も完全に女性は隔離されている.顔は黒のベールに覆われ目だけが露出されているか,それすらも覆われており誰が誰だか全くわからない.この規律を理解するのは難しく,説明するには多くの紙面を必要とするため省略するが,戒律の厳しいイスラム教の世界で行われたシンポジウムであった.税金がなく,教育費,医療費はタダであり,医師のサラリーは高額といわれるこの国では,どのようにして医療発展,自らの技術向上のためのモチベーションを持ち続けるのか興味のあるところであった.
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