特集 腫瘍
1.がん診療に関する基礎知識—がん患者を受けもったら
名倉 功二
1
Koji NAGURA
1
1関東労災病院 救急総合診療科
pp.431-441
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900087
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日本人が生涯でがんに罹患する割合は男性62%,女性46%1)であり,概算すると入院患者の半数近くはがんに罹患するといえる。がんはほぼすべての臓器に原発し,転移巣ではさまざまな症状を起こす。抗がん治療の中心は腫瘍専門医が担う場合が多いが,診断,合併症の対応,救急受診からの入院など,ホスピタリストが対応すべき状況も少なくない。また抗がん治療だけでなく,心理面,社会的な面へのサポートで協働できる点も多い。幅広い内科疾患を担当するホスピタリストにはがんに関する一定の知識と経験が求められる。
がんに直面している患者はみな次の4つの問いをもっている。これに答えることががん診療の基本である2)。
●どんながんに罹患しているか
●がんに対してどのような治療ができるか
●がんは治癒可能か
●どれくらいの時間が残されているか
本稿ではがん患者を診療する際,またチーム医療を実践する際に必要となる知識,心構えを述べる。
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