徹底分析シリーズ 手強いリターンマッチ—再手術の麻酔
前頸部術後の止血術—術者とともにより安全な気道確保を模索する
外山 裕章
1
Hiroaki TOYAMA
1
1東北大学大学院医学系研究科 医科学専攻 外科病態学講座 麻酔科学・周術期医学分野
pp.170-176
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202452
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出血や浮腫により気道狭窄を生じている状況で全身麻酔を導入すると,患者の意識消失により気道は閉塞して換気困難となり得る。喉頭の偏位や浮腫により喉頭展開が困難か,喉頭展開可能でも下気道狭窄により気管チューブ留置は困難かもしれない。麻酔導入により患者の意識が消失した後,換気困難に陥って患者の生命予後に重大な影響を及ぼした場合,処置と患者予後の因果関係が明らかなため,麻酔科医が責任を問われる可能性が高い。画像検査を活用し,外科医とコミュニケーションをとりながら,より安全な気道確保を模索するべきである。
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