徹底分析シリーズ 遠隔医療の現在地—現状を知り,われわれの仕事と社会的インパクトを考える
急性期・周術期への遠隔医療—できること,できないこと。では麻酔は?
野村 岳志
1
Takeshi NOMURA
1
1東京女子医科大学 集中治療科
pp.696-699
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202024
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オンライン診療と遠隔医療は同義で使用されることがあるが,実は意味が少し異なる。『オンライン診療の適切な実施に関する指針』1)で定義されるように,オンライン診療は遠隔医療の一部分であり,医師-患者間において情報通信機器を通してリアルタイムに行う診療をいう。オンライン診療自体は2018年に保険収載され2020年にその適応が広がり,そしてCOVID-19の拡大に伴い,初診からオンライン診療が時限的に可能になっている2)。限られた期間内の処置ではあるが,一部病態において初診からのオンライン診療が有用であることが評価されれば,遠隔診療の拡大につながると期待する。
慢性疾患のオンライン診療と異なり,急性期・周術期への遠隔医療の適用については,まだ遠い未来のことのような印象をもつ医療者も多い。しかし,Webを使ったオンライン会議が突如として広まったように,技術的には多くの遠隔医療が可能となってきている。本稿では,急性期の遠隔医療における課題と可能性について概説する。
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