バトルオンセミナー 麻酔器
巻頭言
中山 英人
1
1東京都立神経病院 麻酔科・ICU
pp.489
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101240
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- 文献概要
本稿は,第7回麻酔科学サマーセミナーの一企画,バトルオンセミナーの講演を抜粋したものである。麻酔科医療を支えている医療機器や薬物を提供しているベンダーと,それらを取捨選択して麻酔科医療に供しているユーザーが一堂に会し,壇上で製品比較を繰り広げるという前代未聞,言語道断,抱腹絶倒の内容である。
2010年はわれわれが日々親しく接している麻酔器に焦点を当てた。一読して明らかなように,ベンダーごとにさまざまな設計哲学があり,それが個々の製品の仕様に見事に反映されている。各ベンダーは,独自の切り口で,安全と使い勝手という異なる次元の概念を高い水準で両立させている。手法は相違してもゴールは共通なのである。製品を評価し,購入し,使用する際,本稿がその選定において見所を定める一助となれば幸いである。
本企画を立ち上げる段階で,ベンダーが参加を承諾するのかが危惧された。複数の製品・ベンダーを一つの閉鎖空間に閉じ込め,血みどろの舌戦を繰り広げた挙げ句に無慈悲な優劣の判定を下す企画と誤解されかねない,と考えたからである。しかし,蓋を開けてみると,最初こそ各ベンダー担当者は相互にぎこちない挨拶を交わしていたが,最後には互いのファイトに敬意を抱き個人的にも親交を結ぶこととなった。沖縄という大器の為せる技である。改めて参加ベンダーの蛮勇を称え,一層の清栄を祈念する。
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