徹底分析シリーズ 術前評価と麻酔
巻頭言
井出 雅洋
1
1神戸麻酔アソシエイツ
pp.549
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100952
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- 文献概要
本徹底分析では「術前評価と麻酔」と題し,麻酔の術前評価や検査の総論的問題から,現場の麻酔科医が頻繁に遭遇し,時に戸惑う代表的疾患への術前の対応や考え方について特集した。
麻酔管理を成功に導くには,術前の適切な評価がカギを握る,と言っても過言ではない。特に高齢者や合併疾患の増加といったことに加え,多様な内服薬やステント治療などにより,以前にも増して周術期管理が複雑化している。このような状況の変化に対応し,細心の注意を払い術前診察を行うことが重要となる。しかし一方で,多くの時間とコストをかければいいというものでもない。最新のエビデンスにもとづきながら,迅速で要所を押さえた正確な診察,評価が,周術期管理のプロフェッショナルとして必要不可欠である。そうしたスキルを自らのものとするためにも,外科系各科との信頼関係や術前評価システムの構築をはじめ,各病院や各執筆者の工夫やコツ,経験を学び,エビデンスとともにそれらを共有していきたい。
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