巻頭
事實と理論
pp.233
発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905651
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18世紀は,科學史家に云わせれば"理論と體系の時代"(The Age of Theories and Systems)であつて,科學が,動きのとれない體驗や觀察から脱して,輝かしい理論と體系へ進展した時代だというのである。
18世紀の初頭こおいて,地球の形は,引力の法則の主張するごとく,扁平であるとするNewton學派と,不正確な測定にあざむかれて扁長であるとするCassini一派とのあいだに,長い論爭がくりかえされていた。この問題に解決を下しうるのは,直接の實地觀測のみであつた。この科學上の問題を決定すべき大仕事をやつてのけたのが,モーペルチュイ(Maupertuis)であつた。
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