話題
国際薬理学会印象記(EDRFの最近の知見を中心に)
水流 弘通
1
Hiromichi Tsuru
1
1広島大学医学部薬理学教室
pp.253-255
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905135
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第10回国際薬理学会は,昨年(1987年)8月23日から28日までの6日間,オーストラリアのシドニーで開催された.会長は,交感神経節後線維の伝達機構においてユニークな"Burn and Randの仮説1)"を提唱したメルボルン大学のRand教授であった。
オーストラリアの季節は,夏の終わりの日本とは反対の晩冬であったが,大して寒くはなかった。会期中に学会事務局が発行した新聞によると,50カ国から3,000名余の参加があったという。そして,わが国からの参加者数500人はアメリカ合衆国に次ぐ第2位で,主催国オーストラリアよりも多かった。にもかかわらず,招待講演が三重大学の日高弘義教授(現在,名古屋大学)ただ一人であったのは寂しい限りだった。また,最新のトピックを取り上げたシンポジウムは40にものぼり,さらに,本会の前後に30ほどのサテライト・シンポジウムがオーストラリアおよびニュージーランドの各地で開催された。
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