特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅴ.神経系細胞株
神経細胞
神経芽細胞
ヒト神経芽腫:TGW
関口 守正
1
1埼玉医科大学第1外科
pp.507
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900487
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■樹立の経緯
培養材料はヌードマウスに8代継代移植された腫瘤である。患児は1歳8ヵ月の男子で,1976年12月腹部腫瘤で入院。血中VMA(vanil mandelic acid)陽性。1977年1月開腹術を受けたが,後腹膜に巨大な腫瘤を形成しており,切除不能。化学療法,照射療法を行ったが,3カ月後死亡。原発巣の組織像は円形細胞型神経芽腫で,ロゼット形成が認められた。手術時生検材料は土田らによりヌードマウスに異種移植された。下記の条件で培養された細胞は,いずれの培地のものも,初期には細胞集塊として増殖し始め,マウス由来の線維芽細胞に付着していたが,細胞集塊を拾い上げて分離した1)。
TGWとは別に,同じ異種継代移植腫瘍より第2の細胞株TNB1がKandaら2)によって樹立されているが,両者間には細胞遺伝学的に著しい差が認められる。
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