増大特集 現代医学・生物学の先駆者たち
Ⅱ.生化学・遺伝学
岡崎令治(1930-1975)—DNA不連続合成機構の解明
吉川 寛
1,2
Yoshikawa Hiroshi
1,2
1大阪大学
2奈良先端科学技術大学院大学
キーワード:
DNA不連続合成
,
岡崎フラグメント
,
RNAプライマー
Keyword:
DNA不連続合成
,
岡崎フラグメント
,
RNAプライマー
pp.392-393
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201033
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岡崎令治博士は名古屋大学理学部生物学科の化学発生学研究室(山田常雄教授)に研究補助員の職を得て間もなく,当時大学院生であった恒子氏と結婚,以来令治が44歳で原爆被爆による白血病で倒れるまで二人は常に行動を共にした。研究のことしか頭にない天才肌の令治と穏やかで知的な恒子は,共通の目標に向かって挑戦を続け,“岡崎フラグメントによるDNAの不連続合成”の発見という偉業を成し遂げた。これは20世紀最大のパラドックスに果敢に挑戦し解決した,類いまれな夫婦研究者の物語である1)。
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