増大特集 細胞表面受容体
●構造的特徴:7回膜貫通型◆受容体の遺伝子:LHCGR(LHR)
分子シャペロンGRP78による黄体化ホルモン受容体発現調節
小暮 佳代子
1
,
中村 和人
1
,
峯岸 敬
1
Kogure Kayoko
1
,
Nakamura Kazuto
1
,
Minegishi Takashi
1
1群馬大学大学院医学系研究科 産科婦人科学
pp.418-419
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101494
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分子シャペロンの一つであるGlucose-Regulated Protein, 78kDa(GRP78)は小胞体(ER)内に存在し,タンパク質の成熟に関与することが知られている。これまでにGRP78がER内でゴナドトロピンレセプターに働きかけて,その成熟に関与するとの報告があったことから1),われわれはGRP78がLHレセプター(LHR)の発現調節に関与するかどうかについて検討した。
初めにLHRを恒常的に発現しているHEK293 cellに,GRP78をクローニングした発現ベクターをトランスフェクションすることにより,GRP78の発現量を変化させた。その結果,GRP78発現量が増すにつれてGRP78とLHRのアソシエーションが増加し,また,LHRの細胞内のタンパク量も増加した(図1A)。この現象はすべてのレセプターに当てはまるものではなく,FSHレセプターに対してはむしろ減弱させる結果となった(図1B)。さらにわれわれはGRP78による細胞内LHRタンパク発現の変化が細胞膜表面の機能的なLHRの発現につながることを確かめるために,ビオチン化の実験を行って確認した。
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