Japanese
English
特集 ニューロンと脳
脳細胞の分化
Cell fate regulation in the developing brain
福田 信治
1
,
田賀 哲也
1
Shinji Fukuda
1
,
Tetsuya Taga
1
1熊本大学発生医学研究センター転写制御分野
pp.7-13
発行日 2004年2月15日
Published Date 2004/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100664
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脳・神経系は生体内において複雑な構造をした器官の一つであるが,元々は受精卵に由来する幹細胞が自己増殖と分化を繰り返した結果構築されたものである。神経幹細胞と呼ばれる比較的少数の細胞が適切に分化・増殖を繰り返し,最終的に高度に秩序立った構造が形成されるためには,これを可能とする分化制御機構が必要である。近年の研究から,この機構には細胞周囲の環境からもたらされる多様な細胞外シグナルと細胞自身が持つ内部プログラムが重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。本稿では神経系の細胞分化を制御する細胞外シグナルと転写因子ネットワークを中心に,著者らのグループが進めている胎生期マウス終脳由来の神経上皮細胞培養系での研究結果を交えながら,未分化神経幹細胞からニューロン・アストロサイト・オリゴデンドロサイトの各細胞系譜への運命決定機構について概説する。
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