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特集 脳の遺伝子―どこでどのように働いているのか
前脳形成における転写抑制因子Fez, Fez-likeの役割
Roles of Fez and Fez-like in forebrain formation
日比 正彦
1
Masahiko Hibi
1
1理化学研究所発生・再生科学総合研究センター体軸形成研究チーム
pp.311-318
発行日 2005年8月15日
Published Date 2005/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100405
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ジンクフィンガー遺伝子fez,fez-like(fezl)遺伝子は,もともと発生学的知識を基本として,アフリカツメガエル・ゼブラフィッシュの中枢神経前部に発現する遺伝子として単離された遺伝子である1,2)。ゲノム情報からfez,fezl遺伝子は,魚類(フグ,ゼブラフィッシュ)から哺乳動物(マウス,ヒト)まで脊椎動物で広く保存された,新しい前脳・嗅覚神経特異的遺伝子ファミリーを形成していることが明らかとなった。近年のゼブラフィッシュのfezl変異体およびノックアウトマウスの研究から,fez,fezlの前脳・嗅覚システム発生における役割が明らかになりつつある。本総説では,fez,fezl遺伝子の単離のきっかけである,両生類・魚類での前脳形成の仕組みから,fez,fezl研究の最近の知見を紹介する。
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