What's your diagnosis?[275]
汗のかき方
酒見 英太
1
1洛和会京都医学教育センター
pp.1322-1325
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350111322
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病歴
患者:79歳、男性
主訴:両上肢の多汗(右<左)
患者背景:近医より虚血性心疾患に対しアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、スタチン、アスピリン、ボノプラザン(VPZ)、Ⅱ型糖尿病に対しイメグリミン、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、前立腺肥大に対しタムスロシンの処方を受けている79歳男性。50歳で禁煙し、飲酒はせず、アレルギーはない。8〜3年前まで当院で7回PCI(経皮的冠動脈形成術;毎回75〜90%狭窄→0〜25%に改善)を受けたが、直近のMRIで前壁虚血が疑われたためCAG(冠動脈造影)を行ったものの、有意狭窄の再発はなかった。
現病歴:約2年前から特に外傷や発熱などのきっかけなく左に強い両上肢の発汗過多が始まり、昨年に続き今年も外気温が下がっても発汗が顕著なので、評価を求めて心臓内科より紹介受診した。
陰性症状:頸部や顔面・頭部、腹部や下肢には異常な発汗はない。顔面や頸部、四肢の感覚障害・運動障害はない。立ちくらみや排尿・排便の変化もない。体のどこも痛まない。

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