FOCUS
初心者のための「患者さんへの心理教育」実践講座
内野 俊郎
1
,
牧田 潔
2
,
坂本 明子
2
1久留米大学精神神経科学教室
2久留米大学精神科デイケアセンター
pp.66-77
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100163
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今、注目の「心理教育」
現在の統合失調症の治療は、薬物療法と心理社会的アプローチが大きな2本の柱です。とくに心理社会的アプローチは、陰性症状の軽減だけでなく、社会復帰のための必須のプログラムとして大きく貢献していることは周知の事実です。
心理教育は「精神障害やエイズなどの受容しにくい問題を持つ人たちに、正しい知識や情報を心理面に十分な配慮しながら伝え、病気や障害の結果もたらさせる諸問題・諸困難に対する対処方法を習得してもらうことによって、主体的な療養生活を営めるよう援助する技法」と定義された★1心理社会的アプローチの1つです。SSTと同様に統合失調症患者のリハビリテーション、さらにはエンパワメントを図るためのプログラムとして発展してきました。1980年代に米国で統合失調症患者家族に対して実施されたのが始まりといわれており、現在では対象は患者、家族にとどまらず、一般への啓蒙活動などにも用いられています。
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