連載 くせものキーワード2・5
食事介助
藤井 博之
1,2,3
1保健・医療・福祉のキーワード研究会
2健和会臨床疫学研究所
3柳原リハビリテーション病院
キーワード:
食事介助
,
嚥下障害
,
食事動作
,
栄養サポート
Keyword:
食事介助
,
嚥下障害
,
食事動作
,
栄養サポート
pp.676-681
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100191
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地域ケアの現場は,保健・医療・福祉に広がる,さまざまな人々が働く広場です。よく使われるキーワードだけれど,人によって意味が微妙に違う言葉が,たくさん登場します。意味や使われかたの違いは,その言葉の由来,広がってきた歴史によるものです。そこには,使う人の専門性や,利用者・専門職・学界・行政など立場と利害の違いが反映しています。どれが正しいとは一概に言えない,こんな言葉たちが「くせものキーワード」です。いろいろな角度から,これらの言葉にまつわる事情を知ることが,会議や説明の場面で役に立つのではないか。それがこの連載のねらいです。
食事の介助は,在宅でもそうですが,施設でもケアの山場の1つです。どのような障害を持っている方でも,食事がうまくとれない時には,その介助が第一の課題になります。食事介助は,多くの時間と大きなエネルギーと高い技術を必要とする,こだわりのポイントをいくつも持ったケアといえます。
興味深いことに,いろいろなポイントの中で特にどこにこだわるかをめぐって,専門職間で見解が異なるときがあります。それには,各職種の持つ専門性や,利用者との関係性が影響しているようです。
例えば,食べるために生きるのか,生きるために食べるのか。また,栄養をとって元気になるために食べるのか,美味しく食べることで元気になるのかなどです。
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