実践報告
在宅における経腸栄養剤固形化投与の実際と効果
坂本 由規子
1
,
古林 典子
1
,
濱田 照代
1
,
豊田 由美
1
,
古橋 美津代
1
,
長谷 起世子
1
,
小野 成樹
2
,
一瀬 直日
3
1赤穂市民病院・赤穂市訪問看護ステーション
2赤穂市民病院消化器科
3赤穂市民病院内科・在宅医療部
pp.581-585
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100173
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
経口摂取が困難な患者の在宅における栄養管理は,安全で安価であるという理由で経腸栄養法が多く取り入れられている。中でも経皮内視鏡的胃瘻増設術(percutaneous endoscopic gastrostomy;PEG)を利用した投与法は,経鼻胃管投与法より主流となっている。
しかしPEGによる投与法にも,嘔吐などの胃食道逆流,瘻孔からの栄養剤リーク,下痢などの合併症がある。赤穂市訪問看護ステーション(以下,当ステーション)では,栄養剤リークによる瘻孔周囲皮膚炎の悪化や,胃食道逆流による誤嚥性肺炎をくり返した症例を経験している。
近年それらの合併症対策として,寒天や粘度増強剤を使用した投与方法が報告されている1~5)。そこで固形化するためのゲル化剤には寒天が最も適している6)との実験結果を得た上で,実際に合併症が生じている在宅患者に実施し,合併症の症状,介護の実際からも良好な結果を得たので報告する。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.