実践報告
看護師による医療機器管理の取り組み
原田 浩二
1
1広島市立看護専門学校,前・広島市立舟入病院
pp.524-529
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100970
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はじめに
近年,医療施設において医療安全確保に関する対策がさまざまになされている。医療が高度化した今日において,患者の安全確保は必須であり,その取り組みは必要である。特に医療機器は,看護師の手を離れて直接患者の生体に作用するため,医療機器の正しい取り扱いと点検は重要である。
医療機器の普及および向上を踏まえ,「臨床工学士法」が1987年に制定された。それから20年近くが経過するが,人工心肺や人工透析がない医療施設には臨床工学士がいない傾向にある。そしてそのような施設の医療機器管理は,看護師が担うことが多い。しかし,医療機器の取り扱いや点検は専門性を問われる作業である。なおかつ,多様な看護業務のなかに医療機器管理の時間を多く割り当てることは困難である。筆者の所属していた広島市立舟入病院(以下,当施設)も,同様の課題を抱えていた。
そこで今回,患者に安全な医療機器を提供できるように,定期点検,LAN(Local Area Network)を利用した情報管理,故障時の対応など,看護師が行なう医療機器管理のあり方を検討し,実施した。本稿ではその取り組みについて報告する。
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