連載 医療・看護の経営管理~政策の勘どころ・22
厚生労働省の医療政策はそんなにひどいのか
吉村 伯太
pp.158
発行日 2007年2月10日
Published Date 2007/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100667
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昨年4月の診療報酬改定に対する批判が相次いでいる。前号で述べた「看護7対1」の問題も診療報酬を高く設定しすぎているのではないかと言われ,何より療養病床の診療報酬引き下げが非常に厳しく,介護型療養病床の廃止と併せて,医療難民・介護難民が大量に発生する可能性が指摘されている。また,リハビリの日数制限の導入についても,効果があるリハビリまで制限しているなどの批判がなされている。
こうした批判に対し,厚生労働省のある担当官は,「今回の診療報酬改定に関する最近の議論は,改定の趣旨・理念,方法論,および具体的な算定要件に対する課題などが混同されている。改定の理念・方向性は中医協だけの議論で決めたものではなく,幅広い議論で決定したもの。特に改定の方向性自体に異論を唱える関係者は少ないと認識している」と述べている(保険局医療課福田祐典企画官)。これは,方向性についての議論は広く合意しているはずであり,個別の点数設定についての議論とは切り離すべきという考えである。
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