連載 21st Century Message from World to World・5
Writing for the Nurse Researcher
Mary Jo Clark
1
,
野地 有子
2
1Hahn School of Nursing and Health Science, University of San Diego
2札幌医科大学保健医療学部看護学科
pp.87-94
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900749
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看護研究者にとってライティングは重要であるが,米国においても看護大学で看護と出版について教授しているところは少ない。クラーク博士は米国・カナダをはじめ世界的に著名な看護教育者であり,多くの著作や政策決定のエグゼクティブレポートなど,さまざまなライティングを手がけている。その経験から,看護研究者にとっての看護と出版というユニークな授業をサンディエゴ大学看護学部の大学院に開講し,選択科目にもかかわらず毎年多くの受講生に囲まれている。
本稿は,私たちに必要なライティング・スキルの要点をわかりやすく解説したものであり,看護の実践の向上のために情報をいかに加工し,発信するかについて常に考えて行動することの必要性が示されている。研究計画書の書き方,看護専門誌への論文の投稿の仕方,他領域への発表の仕方について,随所に具体的な例をあげながら展開されている。文化への配慮では,来日の際のアイヌとの出会いが印象深く本文で触れられている。誰が読み手であるかが重要であり,『看護研究』誌の読者層について事前の問い合わせがあったことはいうまでもない。看護研究の成果を看護実践に,そして社会に還元することは,看護研究者の重要な役割であることが改めて強調されている。
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