焦点 看護ケアパラダイムの変換をめぐって
解説
エンパワーメントに関する研究の動向と課題
野嶋 佐由美
1
1高知女子大学看護学科
pp.453-464
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900367
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はじめに
人間のもつ潜在的な力を重視したエンパワーメント(empowerment)という概念が,アメリカ合衆国およびヨーロッパの看護界で導入され,注目されている。エンパワーメントは,辞書によると「力や権力を与えること,能力を与えること,可能にすること」と定義され,「個人が自己の生活をコントロール・決定する能力を開発していくプロセス」を意味する用語として,看護界で多くの支持者を得るに至っている。
文献数の推移にも,このエンパワーメントに対する関心の高さが現れている。CINALを活用して用語「エンパワーメント」を探索すると,1982年から1995年に総数415論文が出版されており,年次別にみると1987年は6論文だったものが,1991年には38論文,1995年には95論文と年々増加し,徐々に注目が高まっていることが示されている。
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