特集 ウィズ・コロナ時代の看護研究—COVID-19は研究にどのような影響をもたらしているか2
スウェーデンのコロナ事情
加藤 尚子
1
1リンショーピン大学看護科学学科
pp.482-487
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201815
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スウェーデンの新型コロナウイルスによる感染の状況
本稿執筆時の7月末現在,新型コロナウイルスにより66万人以上の方が命を落とし,日本をはじめ,欧州や米国では第二波に対する懸念が高まっています。私が滞在している人口1023万人の北欧スウェーデンでは,7月29日時点で新型コロナウイルスによる累積死者数は5730人と報告されています。人口10万人当たりの新型コロナウイルスによる累積死者数は,英国やスペイン,イタリアよりも低いもののドイツやフランス,他の北欧諸国(ノルウェーやデンマーク)より高いです。新型コロナウイルスによる重症者数および死者数は,7月末現在,減少傾向にあります。図1は,スウェーデンにおける週数別の死者数を2020年と2015〜2019年の平均値で示したものです(Statistikmyndigheten, 2020)。2020年3月半ば(第12週)より平年を上回る超過死亡が生じていましたが,6月末(第27週)以降の死亡者数は平年を下回っています。本稿では,スウェーデンのコロナ事情について簡単に述べたいと思います。
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