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特集 看護研究における報告ガイドライン1
誰でも知っておきたい! よく使われている報告ガイドライン
COREQ—質的研究論文の統合基準チェックリスト
The Consolidated Criteria for Reporting Qualitative Studies
萱間 真美
1
1聖路加国際大学大学院看護学研究科
pp.55-58
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201714
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概要
医学系雑誌にも数多くの質的研究論文が投稿されるようになったが,投稿のためのガイドラインは,ICMJE(医学雑誌編集者国際委員会)でもいまだ提示されていない(Tong,Sainsbury, & Craig,2007)。質的研究方法の教育と実践においても,広く認知された研究報告のための包括的ガイドラインは提示されていない。個の体験のユニークさや,多様性を強調する質的研究方法においては,そのイデオロギーや,方法論が多様であるという特性から,ガイドライン作成になじまないとされている(Booth et al., 2014)。
本稿で解説するCOREQの基準は,査読者や編集委員が投稿論文の査読に用いることを目的として,既存の複数のガイドラインに共通する要素を抽出し,統合する作業を経て作成された。そのため,専門家による会議や意見の集約を経ていない。開発者であるTongら(2007)は,このガイドラインは開発の端緒にあり,今後の洗練や発展の可能性があると述べている(Tong et al., 2007)。このガイドラインを投稿の際に用いているのは,BMJとJournal of Advanced Nursingにとどまっているとされている(Booth et al., 2014)。
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