研究を志す人のために
研究テーマの選定
飯田 澄美子
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.299-310
発行日 1981年10月15日
Published Date 1981/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200672
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1.はじめに
看護の研究を「どのようにすればよいか」「どのようなテーマを選べばよいか」「このようなテーマを考えているが,どう思われるか」という質問は,職場内の研究発表の助言者として出席した際に,よくでる質問である。特にその職場内で,順番に研究発表をせねばならないと決められている場合は,あせりもあり,その状態は深刻のようである。その時に何か特別なことをするというのではなく,毎日の看護の実践の中から取り出すことができる。「なぜこうなのか」「どうしてこうなっているのか」「苦しんでいる患者さんに何かやれることはないか」などの疑問,問題をもった時,その疑問,問題を解明したいという積極的な意志があって,はじめて研究的な取り組みができるわけである。しかしその時には,本質的に,看護の研究をなぜしなければならないのかを十分認識していなければ,その取り組みも浅く,その結果についての分析もいい加減なものになり,労力のみに終わって,その研究の内容が看護に生かされないことが多い。
某病院内では,看護の実践活動が,数年前から研究的に取り組まれ,各病棟での発表が行なわれてきた。その内容を集録としてまとめられてきたが,最近,そのあり方をめぐって反省,検討の必要性がでてきたという。
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