連載 Words, words, words.─研究と言語─質的研究のために・words 10
ことばと理解 Understanding With Words
江藤 裕之
1
1東北大学大学院国際文化研究科
pp.530-535
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100827
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「研究と言語」というテーマで,言語の特徴について考えている。ことばの問題は,どのような専門分野であれ,誰にでもなんらかの形でかかわってくるものであろう。それは,ことばを直接の研究対象としなくとも,あるいは,ことばが研究の方法の重要な位置を占めていなくとも,私たちがことばで考え,ことばで表現する以上は,研究にはことばは常につきまとってくるものだからだ。
ことばによって人はものを区別し,そのことで私たちはあるものが何かをわかっている。例えば,「イヌ」と「ネコ」を区別することによって,現実の世界の中に「イヌ」を切り取っていく,そのための道具がことばであるということを,前回は説明してみた。今回は,その内容を拡げて,世界を理解する,認識するとはどういうことか,それをことばの面から考えてみたい。
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