特集 70巻記念号 『助産雑誌』と私の歩み
【私と助産雑誌】
女性に育てられる助産師に
神谷 整子
1
1みづき助産院
pp.16-17
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200387
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いつも私のそばに
公共の交通機関が動いていない夜中の時間帯に,自宅や助産院で出産を希望された産婦さんから連絡を受けて,私の自宅から出産場所に移動する手段は,ほとんどタクシーになります。60歳半ばの女性が重そうなリュックを担いでタクシーを止めるのですから,運転手さんの興味をそそるのでしょう……。「今お帰りですか?」とか「夜中までお仕事だったんですか?」とか聞かれることが多く,「いえ,これからお産なんです!」と答えると,「あ,お孫さんが生まれるんですか?」と聞き返されることに慣れて久しく,誰から見てもそういう年齢になったのだと,感慨深い気がします。
思い起こせば,助産師として仕事を始めて40年が経ちました。人生,山あり谷ありのご多分にもれず,私の助産師人生もなかなかユニークな部類に入るのかもしれません。病院に定年まで勤めるつもりが,ひょんな成り行きで3人の子どもの妊娠・出産・育児を経験することで,勤務場所も病院から医院を経て,さらに出張開業から有床での開業へと変化し,現在に至ります。
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