連載 BOOKS
―「感染症は世界史を動かす」―まるでその時代にタイムスリップしたかのような感染症が流行する臨場感
村下 伯
1
1島根県健康福祉部医療対策課
pp.432
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100100
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最近,新書がブームだという。ともすればさまざまな情報が断片的に飛び交う日々の生活のなかで,事柄の本質とその背景をしっかりと捉えたうえで,これからの日々をどう生活していったらよいかを見いだしたいという思いが,人々が新書を手にする理由のひとつではないかと思う。
今回紹介する「感染症は世界史を動かす」は,公衆衛生の視点を併せもった感染症の専門家である著者が,これまで世界を席巻した感染症とこれがもたらした社会生活への影響,そして当時の人々がこうした感染症にどのように対処してきたかについて,豊富な知識と鋭い感性で解き明かした新書本である。そして,出現が秒読み段階とも言われている新型インフルエンザなどの新手の感染症に対し,どう対処していったらよいかを考えるきっかけを与えてくれる内容となっている。
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