焦点
著作物の利用・引用のルール―著作権を正しく理解して著作物を適切に利用するために
武村 雪絵
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科看護管理学分野
pp.93-102
発行日 2002年2月25日
Published Date 2002/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903137
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はじめに
書物,音楽,美術,映画,インターネットなど,私たちは日々さまざまな創造物を利用しながら生活しています.特に教育や研究の場では,文献のコピーを教材として学生に配布したり,自分の論文に他の研究者の論文を引用したりと,他者の創造物を当然のように利用しています.そのためか,このような創造物はそれを生み出した人の財産であるという意識が希薄になっているかもしれません.
看護界では最近,無断転載や不適切な引用が著作権侵害にあたるとして,ある書籍が販売停止,回収処分となる事件がありました1).知らないうちに著作者の権利を侵害し,このような問題の当事者となることがないよう,また,苦労して成し遂げた研究成果を自分の財産として守るためにも,私たちは著作権について正しく理解する必要があります.
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