連載 臨床現場で本当に必要な薬のおはなし 教員も学生も知っておきたい「看護薬理」・10
アトピー性皮膚炎と治療の特徴
大井 一弥
1
1鈴鹿医療科学大学薬学部 臨床薬理学研究室
pp.476-481
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202287
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
アトピー性皮膚炎は、皮膚領域の代表的疾患です。国内の患者数は50万人を超えていると推計され、乳幼児・小児だけでなく、成人の有症率も増加しています。発症部位は個人によって異なりますが、全身性に及ぶ場合、限局的な場合と、患者によってさまざまです。典型的な症状は、皮膚の異常なかさつきと強烈なかゆみであり、その結果、睡眠不足を招くなどQOL低下に至ることも珍しくありません。
治療薬の選択は、ステロイド外用薬と保湿薬をベースとします。近年では病態解明が進んだため生物学的製剤の進展も著しく、難治性のアトピー性皮膚炎でも軽快させることが可能な時代となってきています[図1]。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.