特集 移動介助技術の指導方法─ボディメカニクスを実践に活かす
扉
pp.1073
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102569
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看護師にとって腰痛予防は大きな課題であり,基礎教育のうちに適切な移動介助技術を学び,身につけることは,入職後に身体を守るために非常に重要です。この移動介助技術にはさまざまな方法論がありますが,最も大切な原理原則はすべてに共通しています。しかし,なかには流行りの方法論の表面的な新しさにばかり注目して導入が決められ,しばらく経つと「効果が出なかったから」といってやめてしまうということもあるようです。よくよく聞いてみると,当たり前の原則を怠って,その方法に特徴的な部分だけをなぞっていたということがわかったりします。
今回の特集では,看護で用いられる介助技術の原理原則として,今一度「ボディメカニクス」に立ち返ります。なぜ重心を下げるのでしょうか。支持基底面を広げると,何がよいのでしょうか。また,この原則にはどんな限界があり,それはいかにして乗り越えることができるのでしょうか。まずは人間工学の視点からの解説でポイントを整理し,そのうえで実践に活かすための学生指導にふれることで,どのような方法論の指導にも通じる強固な土台をつくっていただければと思います。
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