連載 私の一冊・33
伝える花
南村 千里
pp.184-185
発行日 2008年2月25日
Published Date 2008/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100872
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■能の第一人者であった観世寿夫による著作
この本は,観世寿夫氏が病魔と闘いながら,能に対する自分のすべてを注ぎ込んで執筆したものである。能役者の家に生まれ,物心のつく前から能を肌で感じ,死ぬまで能役者として全うした人生のなかで,いくつかのターニングポイントがあったという。それは第2次世界大戦とその後の世阿弥とのふれあい,そして海外での公演であった。
戦争中は演能が途絶え,失業状態になったので,稽古の日々になったそうである。そのときに基礎固めの稽古ができたことは,能役者として幸いなことであったと述べている。
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