インターホン
むくげの花
稲垣 シテ
pp.366
発行日 1974年7月25日
Published Date 1974/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204724
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朝鮮のマンスデ劇団の〈花売る乙女〉をみました。地主の召使いとして働いていた母が病死し,借金のカタとして乙女が女工に売られんとして,監獄にいる今1人の兄を頼って行くのです。途中,飢えと疲れに山合いに倒れて,いつとはなしに眠ってしまったのです。
乙女は夢をみて,わが家に残してきた盲の妹のことを思い,今頃どうしているであろうか,庭のむくげの花ももう咲いたろうかと思うと,場面がポックリと照明され,朝もやの中に美しくむくげの花が写し出されたのでした。
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