特集 看護学生の論文 大賞・入選論文の発表
看護学生の論文22篇
妄想の世界に支配される患者への関わり―人形との対話が意味するものとは
石倉 弥代妃
1
1京都中央看護専門学校
pp.626-630
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100449
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はじめに
妄想はその人にとって全く関係のないものではなく,欲求や願望,嫉妬など心の中にあるものだと考えます。したがって妄想状態にある患者様を看護する際, 表れている妄想の背景にあるものを把握しておくことが必要であり,妄想の背景にあるものを取り除くことによって現実検討能力を回復することができると考えます。
今回,人形遊びに没頭している,妄想のある患者様を受け持ち,遊ぶことによって患者様の環境を守り,患者様が自ら愛情欲求を満たせるように促すことができることを経験しました。そしてその結果,患者様は現実を認識できるようになりました。このことから人形の意味や役割と,人形を用いて関わることによってもたらされた結果について考察したので,報告します。なお,本稿をまとめるにあたっては,患者様の了解を得ました。
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