FOCUS 行政評価が変える保健活動の具体像
「行政評価」を理解するためのキーワード
大賀 英史
1
1順天堂大学医学部衛生学教室
pp.486-491
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902630
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行政評価とは,行政サービスに,民間企業で使われる評価と計画の手法を導入したものである。納税者である住民(とその家族)を「顧客」と見立て,その満足を最大限にすることを目的としている。保健福祉分野のみならず,全庁的に導入されるものであり,平成13年11月時で導入している自治体は15.8%,試行中を入れると4割,検討中まで含めると約5割の団体に及んでおり,今後も急速に広がる見込みである。
そのような状況のなか,行政評価を解説した成書や論文は数多く出されている。なかにはわかりやすくまとまっている本1)もあるが,理念的な背景から説き起こすものが多く,実践報告であっても,法律に強い事務系公務員の手によるものは,一部を除けば保健分野の者には無機質に思える「体系的」な解説が大半である(単に読み慣れていないだけであるが)。それに対し,本号で紹介された田畑論文・野呂論文は,医師・保健師が体験したままの内容を時間軸にそって描いた記録であり,臨場感にあふれ,かつ本質を見事に表現している。
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