特別編 歴史に学ぶノウハウ
沖縄の精神保健活動を育てた勉強会②—「でいごゼミ」で学んだ事例性から感じ取る保健婦活動
當山 冨士子
1,2
,
比嘉 ミヨ子
3
1沖縄県立看護大学
2前・琉球大学医学部保健学科
3沖縄県コザ保健所
pp.1010-1014
発行日 2001年11月25日
Published Date 2001/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902539
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「でいごゼミ」はどのように生まれたのか
「でいごゼミ」の誕生
昭和53年5月,琉球大学保健学部前の公園の梯梧が真っ赤に咲き誇るなか,保健婦の自主勉強会「でいごゼミ」は誕生した。保健学部精神衛生学教室教授であった佐々木雄司先生(現・独協大学教授)を指導者に,経験年数7〜14年の保健婦8人が集まってのスタートだった。精神衛生学教室の助手をしていた私が事務局を担当した。この勉強会は現在も続いている。
私が大学の助手になったのは,その少し前のことである。保健所に勤務しながら,私は「いまひとつ手応えがない。保健活動を深めるにはどうしたら良いのだろう」と行き詰まりを感じていた。大学で助手を募集していることを知り佐々木先生の面接を受けに行った時は,ただ闇のなかに飛び込むような心持ちであった。だが,先生が語る“沖縄での仕事への思い”は興味深く,また勉強をしながら保健婦の仕事もできる環境ならば,いま感じている行き詰まりを打開できるのではないかと感じられた。
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