連載 保健婦日記—雪と螢の里の仲間たち・6
こんなこと あんなこと あったけど
土田 峰子
1
1越路町役場
pp.330-331
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901134
- 有料閲覧
- 文献概要
私の両親と子どもたちと越路町
昭和45年3月,小さなお菓子箱を持ってはじめて越路町役場を訪れ,「課長さん,4月からお世話になります保健婦の大川(旧性)です。春休みにバイクの免許をとりました」と少し誇らしげに就職の挨拶をしたことを思い出します。その時,課長さんは「あんたのお父さんは大きなバイクに乗っていた。当時はまだ駐在さんも自転車の時代でね。もう亡くなって何年になるかね…」と,思いがけず父の話をしてくれました。その時,父も越路町に縁があったことをはじめて知り,不思議な因縁に緊張感がとれ,越路町に親しみを感じました。
私の父は昭和36年に46歳の若さで亡くなりました。今から2年前の平成5年に33回忌法要を終えましたが,その時,いとこが父の思い出話をしてくれました。「叔父さんは,生き物や新しい物が好きだった。仕事の外交はそれはうまいもので,叔父さんについて回りながら,印刷外交のABCを教わった。今も大切にしている……」と,お酒好きで母を困らせていた父のイメージとは少し違っていました。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.