連載 スコットランド・デンマークのNHS・7
NHSよもやま話—歯科医療のことなど
山崎 摩耶
1
1新宿区立区民健康センター
pp.146-147
発行日 1982年2月10日
Published Date 1982/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206479
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今,私の手許に1冊の新書版のペーパーバッグがある。《あなたとナショナル-ヘルス-サーヴィス》と題された表紙には,どんな風にして家庭医を選ぶか,ベストな方法でサーヴィスを受けるにはどうしたらよいか,どんな時にドクターを呼んだらよいか,外来で診察を受けたり入院するために病院に行く時はどうしたらよいか,救急車はどんな時に呼べるか,また老人や身体障害者のためのNHSはどんな特別なサーヴィスを用意しているか,といったことが書かれてある本だと紹介されている。わずか350円で買えるこのガイドブックは,Health Education Council(保健教育協会)から出版されていて,街の本屋でも手に入れることができる。GPのオフィスやヘルス-センターではもちろん,多数の衛生教育用のパンフレットが置かれていて,人々は自由に手にすることが可能である。NHSのシステムをいかに住民に使いやすいように運営するかといったマネージメントについても,住民本位といった感じが見受けられたのだが,果たして実際はどうなのだろうか。私の滞在したパート家で,友人の歯科医ボブ夫妻をまじえて,少し話を聞いてみることにした。
子供達の寝静まった土曜日の夜9時頃,近所に住むボブ夫妻がお茶を飲みにやって来た。彼は隣の町で歯科医を開業している。
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