特集 健康で住みよい町づくり,村づくりを
"組織づくり"を活動の基盤にすえて
第13回自治体に働く保健婦のつどい集録
分科会
漢方等東洋医学を考える
木下 繁太朗
1
1鉄砲洲診療所
pp.520-527
発行日 1981年7月10日
Published Date 1981/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206393
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漢方と健康保険
昭和39年に,初めて生薬が60種類程健康保険に入りました。漢方の煎じ薬の材料になる生薬が保険で使えるようになって,漢方治療を健康保険でやっていた方もいましたが,薬価基準の値段が安く,例えば朝鮮人参がその当時薬価基準で1グラム7円だったんですが,市場で買いますと20円位するといった状況でした。20円で買って7円で出さなければならない。そういう事情もありまして,保険でやる先生はほとんどありませんでした。それが,いわゆる漢方ブームが定着する中で取上げざるを得なくなってきました。
そういう状況の中で,昭和51年の9月にエキス剤つまり,インスタント漢方薬が50種程健康保険に採用されました。インスタント-コーヒーの技術が進んできて,漢方薬も煎じたものをエキス剤にする技術が大変発達してきて,インスタントでもかなりいいものができるようになりました。その後53年の4月に大幅に追加され,昭和56年1月現在90種類程のエキス剤が健康保険で使われるようになりました。その後,又新たに40種程のエキス剤の申請が出まして,それが56年中には通るのではないかと思います。それが通りますと全部で140種類位になります。大体その位あれば,一般診療には間に合います。漢方エキス剤がほぼ出そろったわけです。
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