特集 東京・江東区における障害児の地域ケア
統合保育の大切さを知る
前田 幸子
1
1神愛保育園
pp.37-39
発行日 1981年1月10日
Published Date 1981/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206332
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けい君が,保健所の紹介で入園して来たのは5年前。今春は小学校です。私は,けい君を何年間か担当する中で,けい君から,また,共に育ちあうクラスの子供達のかかわりの中で,保母としてさまざまなことを学びました。
当時,けい君は1歳3か月。子供達11名の中の1人として入園しました。けい君は出産の際,ヘソの尾が三重にも首に巻きつき,仮死状態で生まれ,10分後に産声をあげたということです。けい君は,小頭による知恵遅れと牛眼による強い斜視のため,入所当時は寝返りも,首をもち上げることもできず,寝たっきりで,指しゃぶりと指先の常動行動のみで遊んでいる子でした。私達は,牛眼という病名ははじめて聞く名で,けい君に対して何からどう保育をしてよいのか見当もつかない状態でした。
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