グラフ
解説
川上 重治
pp.37
発行日 1971年4月10日
Published Date 1971/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204903
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くりえさせられる再出発
恐山のお祭りは毎年7月20日より24日ごろまで催されるのが慣例である。主として東北の農民たちが集まる。自分達が死ねばこの山へ来るというものである。死んだ家族がさまよっている山ということになる。この日を日常の生活から解放された日として過す農婦たちが多い。
農婦たちは1年の間に,せっせと働らき,貯えた数千円をふところにし,ここに来る。山で,イタコのクチヨセに泣き,宿坊に泊り,温泉にひたり,歌を唱い,踊り,ある者は酒を飲み夜を明かす。そして貯えのわずかの残りで土産を買って家路につくのである。彼女たちは毎年必ず恐山に来る。
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