特集 現代育児論
母性保健指導と育児
森山 豊
1
1東芝中央病院
pp.10-12
発行日 1968年2月10日
Published Date 1968/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204109
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はじめに
私どもの現在の形質つまり体つきや知能などは,遺伝と出生後の教育,家庭環境,社会環境などによって影響されている。このほか,近頃は受胎後から出生までの母体から受ける影響や出産状況などが重視されている。とくにサリドマイド睡眠薬による胎児奇形問題が世界に大きい波紋をなげかけて以来,心身障害児発生や予防のことが,妊婦にとって大きな関心事となってきた。さらに近年は家族計画が普及して出産回数が少なくなったことも原因して,以前にもまして,よい児を産みたいとの願いが非常に強くなってきた。ほんとうによい児を願うならば,生まれてからの保育は,もちろん,出生前からの綜合計画が必要である。ここには,これらの出生前の諸問題について考えてみたいと思う。
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