看護ミニ事典
丸山ワクチン/手足口病
高橋 昭三
1
1結核予防会結核研究所
pp.1009-1010
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922700
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丸山は,皮膚結核の治療に,スルフォサリチル酸およびリンタングステン酸で除タンパクした結核菌水抽出物(多糖体を主成分とする)を使用し,非常にすぐれた成績を得た.癩(らぃ)の治療に使用しても有効で,特に発汗機能の回復が明らかであり,化学療法と同等またはそれ以上の有用性が認められた.
1968年に,丸山は,ヒトの各種癌,特に肺癌,胃癌,食道癌などについての臨床治験の結果を発表した.有効例での所見は,短期間または長期間の使用により,急速に,あるいは徐々に,腫瘍の縮小がみられ,副作用はほとんど認められなかったという.このころから,上記の結核菌抽出液は,丸山ワクチンとよばれるようになった.正しくは,SSM(Specific Substancc of Mycobacterium,結核菌特異物質)で,剤型によりSSMA(1mcgのちに2mcg/ml液1ml),SSMB(SSMAの1/10濃度1m)の2種がある.現在,医薬品として承認を受けるために必要な実験,臨床治験が重ねられている.
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