DECISION MAKING IN NURSING こんなとき、あなただったらどうします?・7
もし,家族のだれかが突然亡くなったら……
浦田 喜久子
1
,
川島 みどり
2
,
村松 静子
3
,
守田 美奈子
3
1日赤中央女子短期大学
2健和会臨床看護学研究所
3在宅看護研究センター
pp.730-733
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921451
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家族にとっての突然死
救急部にプールで溺水した女性患者が運ばれてきた.まだ20歳前後の若い女性である.運ばれてきた時はすでに心停止していた.救急部の床に臥床させたまま,必死の救命策が講じられているその時,ものすごい見幕で父親と妹らしい少女がかけこんできた.救急部の1人の看護婦が‘今一所懸命でやっていますから,そこで待ってて下さい!’と言ってぴしゃりとドアを閉めた.
その父親がその患者に会ってもよいと,室内に招き入れられたときは,その女性の死亡が確認された後であった.父親は‘お前は死ぬはずはないんだ.目を開けろ!’と叫びつつ患者にとりすがっている.一緒に来た少女も泣いている.医師は‘いや,何とおっしゃっても,娘さんはもう亡くなっています’と冷静に告げるのだが,父親の耳には人る様子もなく‘目を開けろ!目を開けてくれ!’と言って,娘に取りすがり,ゆさぶりながら泣き続けるのであった.
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