グラフ
病気を慢性化させない精神医療を—開院1周年を迎えた湖南病院
木田 孝太郎
,
里中 ヨオ子
pp.1340-1345
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919410
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‘隔離収容が精神医療であってはならない’‘開放病棟を推持するなかで,これまでの医療実践を振り返り,病気を慢性化させない医療を第一としよう’‘1人1人の人を時代・社会・文化の背景のなかで理解していこう’
こうした考え方にたって湖南病院が開院したのは昨年の10月のことである.東海道線野洲(やす)駅よりバスで15分,琵琶湖の4kmほど南にある同院はベッド数100床,滋賀県湖南地区の精神科のベッドとしての役割を担うとともに,奈良,新大阪,瀬田の近畿地方の3つの精神科診療所の後方機能も担っている.この3つの診療所は‘精神病もできるかぎり普通の処遇のなかで治療しよう’と考える若手精神科医らが,昭和49年より相次いで開院したもので,地域社会の中で患者を支え治療しようと努力している.こうした考え方は湖南病院スタッフにも引き継がれている.さらに湖南病院では‘心身両面から病気を治療する’という医療理念から,内科外来も地域内診療所レベルで機能し,1日の外来患者は精神神経科患者と半々である.
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