ルポルタージュ・健康探検
身も心もほろぼす“鉄の悪魔”—人類はクルマをもつべきではなかった!
平沢 正夫
pp.33-37
発行日 1970年10月1日
Published Date 1970/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915046
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ベビー・カーと歩道橋
いま,デパートの乳母車売場で,イギリス製の“ベビー・バギー”が人気を呼んでいる。子どもを抱いたまま,片手とつま先だけで,簡単に折りたためるベビー・カーだ。重さわずかに2.8キログラム。たためば,こうもり傘2本ぶんぐらいの大きさになってしまう。しかも,カギの手がついて,腕にかけられる。右腕で赤ん坊を抱き,左腕に“ベビー・バギー”をひっかけても,ママの体力にさして負担をかけない。
「これなら,歩道橋を渡れます。そういうこともあって,よく売れるのでしょう」と,売場では目をほそめる。英国消費者協会の機関紙が推奨しただけのことはある。最小の容積と重量で,最大の機能性をねらった乳母車だ。
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